笙は邦楽器、雅楽器のうちで和音(ハーモニー)を奏でる唯一の楽器で、5~6つの音を同時に鳴らすことが出来ます。雅楽の合奏では、背景の響きをつくる役割を担っています。
その姿は鳳凰が翼を立てて休んでいる様だといわれる美しい形の楽器です。その音色も美しく、天から差し込む光にたとえられており、豊かに澄んだ高音が響きわたるようです。吹いても吸っても同じ音が鳴るので、途切れることなく長く持続した音を出すことが出来ます。世界中の楽器の中でも類を見ない特徴的な楽器といえます。
また、和音を織り交ぜ1音1音を重ね奏でる奏法も笙の魅力です。透き通るような広大な響きを奏でてみませんか?
真鍋 尚之(まなべなおゆき)
洗足学園大学卒業(専攻ー作曲・声楽)。東京芸術大学邦楽科雅楽専攻卒業。
第1回国立劇場作曲コンクール優秀賞(1位)、東京・邦楽コンクール第1位など作曲及び演奏での受賞多数。2000年より笙という楽器の可能性を追及したリサイタルを開いてきた。2003年のリサイタルは読売新聞における年間ベスト5に選ばれる。
2011年~2012年文化庁文化交流使としてドイツを中心に50回以上の演奏会を開いてきた。帰国後も定期的にソロをはじめアンサンブル、また雅楽の古典をヨーロッパに紹介する企画をオーガナイズしている。
小野雅楽会、十二音会会員。国学院大学雅楽講師・同青葉雅楽会講師・共立女子大講師。